個人的に、Kotlin は今後10年で Java に置き換わる存在だと考えています。
静的型付け、型推論、Null 安全といった、Java では一部不足している機能をサポートしているだけではなく、高い生産性が出せるように文法も Java より簡潔になっています。それでいて、100% の Java 互換性を持っているので、Java エンジニアが Kotlin エンジニアに移行するのも大きな壁がありません。
その上、Kotlin/Native の存在により、Android だけでなく、iOS のアプリも Kotlin で開発できるようになります。
そのため、モバイルアプリはKotlin だけで済み、サーバーサイドも長いスパンで Kotlin に置き換わるでしょう。
メインの開発のすべてを Kotlin で行うことができるということです。すばらしいですね。
... 本当は C# が目指した世界で、すでに環境はそろっているけどうまくいっていないですね。。。
そんな Kotlin のサーバーサイドの本である『入門!実践!サーバーサイドKotlin』が、技術書典 7 で頒布されました。
技術書典 7の目玉の1つだと個人的に思っていたので、迷わず購入しました。
残念ながら購入できなかった方は、BOOTH で電子書籍が販売されているので購入を検討されてはいかがでしょうか。
この本は、最初に Kotlin の説明をした後に、開発環境の構築にかなりのページを割いています。JDK や VS Code, IntelliJ IDEA など、初学者がつまづきやすい部分を丁寧にサポートしています。これは好感度が高いですね。
欲を言えば、Oracle JDK ではなく、OpenJDK の方が時代的によかった気もしますが、OpenJDK とはなにか話し出すと収拾がつかなくなりそうなので避けたのかもしれませんね。
サーバーサイド Kotlin として、動作環境は Kotlin + Spring Boot というのもよかったですね。自分の今の開発環境が Spring Boot なので Spring Boot の勉強にもなりました。
また、最初は簡単なプログラムを動作させますが、次に掲示板システムを作成し、最後にブラッシュアップまで行っており、開発工程を一通り体験ができるようになっています。
ところどころ、試行錯誤している旨の記述があったりしたのも、開発者が陥りやすい部分の情報として役に立つと思います。
156ページと若干ページ数は多い気もしますが、読みやすくサクサク進むので負担はあまり感じないのではないでしょうか。
Kotlin + Spring Boot を始める入門書として、とてもよい本ですね。