『フロントエンド実装工数をなるべく下げるための本』なる本を技術書典7で入手し、読了したのでその感想などを書いてみます。
本書はBOOTHでの販売は現時点(2019/09/29)ではありませんが、とらのあなで販売しているのを見つけました。BOOTHでも扱って欲しいと思いましたが、とらのあな専売になっているようですね。
この本はぶっちゃけ「フロントエンドエンジニアがこういうことに困っているんだよぉ!」をまとめた本になっています。
部分的にフロントエンドエンジニアでないとピンとこない部分はあるものの、フロントエンドエンジニアはこういうところで苦悩するのかというのが分かっておもしろかったです。
例えば、「フロントエンドが苦手なもの」という1章では、「ブラウザに逆らったデザイン」というものがあります。
ブラウザはボックスモデルという考え方でできていて、これに反するデザインは苦労が多いとのこと。
まぁ、それはそうだよなぁ、と思いつつも、現実ではブラウザでできることより、「こうあるべき」が先行したデザインが多いのだろうとも思います。システム開発でも、できるできないかならできるけど工数かかりますよ?というお話は枚挙にいとまがないですし。
また、テーブルの行列固定はかなり難易度が高いということも分かりました。ブラウザに機能を実現する仕組みはもっているものの、単純には利用できず、さらにデザインの要望はその上をいくようです。
デザインについては、自分も前職でデザイナーに依頼したことがありますが、それも大変だっただろうなぁと思い返しました。
その時は、Ajax が普及し始める前に Ajax の取り組みを行い、デザイン側にも見た目だけでなく、HTML として適切なレベルを要求してました。今ではデザイナーも Ajax 対応は当たり前でしょうが、当時は Firefox の Firebugぐらいしかツールがなかったので苦労したと思います。
この本は、現状に対する不満だけでなく、提案も含まれています。
「デザインや仕様をライブラリに寄せる」といったエンジニア寄りの提案ではあるものの、デザインに工数がかかりすぎて困っているケースでは、自分のデザインや仕様が本当に必要なレベルなのかを考え直した方がよいかもしれません。
また、UIライブラリとして Boostrap の利用が提案されていますが、Boostrap のにおい対策にはbootstrap.build
なるサービスを使うとよいらしです。
これはよい情報を得ることができました。
ページも47ページと薄い本なので、前書きにもありますが、フロントエンドエンジニアだけでなく、ディレクターやデザイナーにも読んで欲しいと思います。