はじめに
今までの記事により、ようやく Tiny Core Linux を使用する環境が整ってきたので、いよいよ実戦編に入ってきます。
- 超軽量のTiny Core LinuxをVirtualBoxにインストールする方法
- Tiny Core Linuxで日本語キーボードを使用する方法
- Tiny Core Linuxで日本時間表示と時刻同期する方法
この記事では、nginx で Web サーバーを立てる方法をご紹介します。
nginx その前に
nginx の内容に入っていく前に、いくつか設定を行います。
VirtualBox のネットワークの割当を「ブリッジアダプター」としてパソコンと同じネットワークに参加させ、パソコンのブラウザから Web サーバーにアクセスできるようにします。
また、ControlPanel > Network から DHCP の設定を有効にします。
そして以下のコマンドでパソコンと同じネットワークのIPアドレスが表示されたら次の設定に移ります。
$ ifconfig
nginx のインストール
お約束どおり、Apps より nginx.tcz をインストールします。
nginx では以下のコマンドで操作します。
$ sudo /usr/local/etc/init.d/nginx start #起動 $ sudo /usr/local/etc/init.d/nginx stop #停止 $ sudo /usr/local/etc/init.d/nginx reload #再起動
nginx の設定
実行ユーザーは新規に追加した nginx として、所属グループは tc ユーザーが所属する既存の staff とします。
nginx の公開ディレクトリを /var/www/html として、
ログの出力先を /var/log/nginx とします。
プロセスIDは、/var/run/nginx.pid とします。
では、設定を行っていきます。
ユーザーの追加とグループの設定は以下のコマンドを実行します。
$ sudo adduser nginx #パスワードは今回はなし
$ sudo addgroup nginx staff
公開ディレクトリは以下のように作成します。
$ sudo mkdir /var/www $ sudo mkdir /var/www/html $ sudo chown -R nginx:staff /var/log/nginx $ sudo chown -R nginx:staff /var/www/html $ sudo chmod 775 /var/www/html $ echo "welcome!" > /var/www/html/index.html
nginx.config は以下のように作成します。
$ cd /usr/local/etc/nginx/original $ sudo cp nginx.config.default ../nginx.config $ sudo cp mime.types.default ../mime.types $ cd .. $ sudo vi nginx.config
これで、nginx.config の設定画面に入るので編集を行います。主要部についてのみ記述するので、適宜読み取ってください。
user nginx staff; pid /var/run/nginx.pid http { include mime.types; default_type application/octet-stream; log_format main #コメントを外す。以下省略。 access_log /var/log/nginx/access.log main; sendfile on; keepalive_timeout 65; server { listen 80; server_name localhost; locatioin / { root /var/www/html; index index.html index.htm; } error_page 500 502 503 504 /50x.html; location = /50x.html { root html; } }
設定を保存したら nginx をストップ、起動します(念のため)。
$ sudo /usr/local/etc/init.d/nginx stop $ sudo /usr/local/etc/init.d/nginx start
まずは、ローカルで動作確認します。以下のコマンドを実行して、index.html をダウンロードできればOKです。
$ cd
$ wget localhost
うまくいったら、パソコンのブラウザから先ほど取得したIPアドレスで以下のようにアクセスして「welcome!」が表示されればOKです。(例) http://192.168.11.14
再起動後に nginx が動作するための設定
Tiny Core Linux では、再起動後に nginx が起動するようにするためには、/opt/bootlocal.sh に以下の記述を追加する必要があります。なお、1行目で ngix の pid を削除していますが、これを行わないと不具合が起きるため入れています。
filetool.lst への登録
このまま設定が終わったと思ってシャットダウンしてしまうと、折角行った設定が消えてしまいます。
この辺がクセがあるのですが、シャットダウンする前に保存したいディレクトリやファイルは、/opt/.filetool.lst に登録し「Exit」から正しくシャットダウンする必要があります。
今回の設定を反映させた filetool.lst は以下のようになります。
opt home opt/th0.sh usr/local/etc var etc/passwd
なお、起動時や再起動時にログインが表示された場合は、ユーザーを「tc」としてログインしてください。
おわりに
記事にしてしまうとなんか簡単な気がしますが、実際はここまで到達するのにかなり時間がかかりました。
まあ、これでみなさんの手間が少しでも省けたとするならば、それはそれでありかもしれませんね。